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【F-35A導入で創設以来最大の危機に直面する韓国空軍】

[寄稿]
F-35A導入で創設以来最大の危機に直面する韓国空軍
2015.10.04 09:11 ハンギョレ日本語版

 ブルネイで開かれた第2回アセアン拡大国防長官会議(ADMM+)に出席中のキム・グァンジン国防長官がチャック・ヘーゲル米国防長官と会ったのは2013年8月28日のことだった。マスコミはこの日の会談について、両国国防長官が戦時作戦権移管時期の再延期問題を議論したものの一部で異見があったと報じた。しかし、この日の会議には知らされなかった事実がある。予定された日程を1日操り上げ29日に帰国したキム長官は、事前に各軍参謀総長とイ・ヨンデ国防部戦力資源管理室長を招集してあった。日程を操り上げ総長らと協議する事案があり、そこへ戦力資源管理室長が同席したとなると、明らかに防衛事業推進委員会(防推委)の案件との関連が察せられる出来事だった。ちょうど米国ボーイング社のF-15SEが次期戦闘機(FX)事業の価格入札に単独で通過し、有力候補機種として事実上固まろうとしていた時期だった。

■ 予想だにしない驚くべき反転

 キム長官がチャック・ヘーゲル長官に会ったその日、歴代空軍総長の15人はこれに反対し、「選定作業を再び始めるべきだ」との趣旨の建議文を大統領府に出した。歴代総長からは「事業費を8兆3000億ウォン(約8300億円)に制限せず10兆ウォン(約1兆円)以上に増額できる道を開くべきだ」という主張までされた。これに大統領国家安保諮問団所属の予備役将軍まで加勢し、F-15SEに対する全方位的な揺さぶりをかけると、朴槿恵(パク・クネ)大統領は「政府がすることになぜ歴代空軍総長まで名乗り出て批判するのだ」と不快感を露わにする。十分な予算のない朴槿恵政権は、8兆3000億ウォンの事業費を超える戦闘機に対し「絶対受け入れられない」と背水の陣を敷いて事業を推進してきたため、入札結果が覆る可能性はほとんどなかった。

 9月になると雰囲気は一層悪くなる。8月に米国防長官が直接キム長官を圧迫しだし、ウィリアム・コーエン元国防長官がロッキードマーティンの顧問社の代表として戦闘機販売に介入する兆しが見えた。そこへカート・キャンベル元国務省次官補まで加勢し、戦闘機事業は濃い霧の中に入り込む。なによりキム長官が何も決断を下せない姿を露呈させてしまう。9月13日に朴大統領は防衛事業庁(防事庁)の業務報告を受け、同席したキム長官に「(次期戦闘機は)国家安保を総合的に考慮して防衛事業推進委員会で決めるように」と命じた。大統領府は予算だけ握り、機種決定にこれ以上関与しないので、決定はキム長官の判断に任せるという意味に捉えられた。

 9月15日からはイ・ヨンデ戦力資源管理室長が各軍総長をはじめとした防推委委員らと個別的な接触を持つ情況も相次いで明らかになり始めた。次期戦闘機の最終機種決定の前日となる9月23日夕、ソウル・南山のハイアットホテル1階のバーでは、米ボーイング社の本社と韓国支社の関係者ら5、6人ほどが酒席を設けた。翌日に予定される国防部長官主催の防推委が、自社のF-15SEに機種決定することは確実視されていた。過去2年間の戦闘機競争で最終的な勝利者になったボーイングは、最後の最終宣言式だけを残すことになり、それまでの努力を互いに労った。彼らは翌日に起きる予想もしない反転に気づかぬまま甘いワインの香りに酔っていた。

一昨年8月から9月の釈然としない事業否決
誰がなぜボーイングF-15SEが推したのか
韓国型戦闘機は“ギャンブル”となる
核心技術移転が困難と知りながら
昨年9月にF-35Aを40機購入契約
大統領府は何も知らなかったかのように
遅ればせの真相調査に乗り出すという
米国は技術移転議論そのものを拒否


 ところが、翌日の24日午後2時に開かれたキム・クァンジン長官主催の防推委会議で「絶対無い」と思われていたことが起きた。防推委会議で繰り広げられた場面は耳を疑うものだった。通常、防推委議決は複数案を比較して表決で決める方式をとる。例えば、1案は機種決定、2案は延期、3案は否決といった案を示し、最適な案を討論して多数決で決めなければならない。防推委会議はキム長官を議長として、国防部資源戦力管理室長、各軍参謀次長、放事庁長、政党推薦委員、民間専門家で構成される。イ・ヨンデ戦力管理室長はこの日、3案に該当する否決案だけを想定し、そこへ委員が署名するか否かを選択するよう要求したのである。それに対し一部の委員が、事業が遅れたら空軍の戦力空白が予想されると署名を拒否した。残る委員はまるで事前に予想されていたかのように素直に署名し、速やかに否決された。たった2時間で決定が下されると、4時30分にキム・ミンソク報道官が記者室で発表文を読み上げた。F-15SEの最終決定を予想して記事を準備していた国防部の記者室は一気に慌ただしくなった。

 一部委員が防事庁が建議したF-15SEの機種決定否決に署名しなかったのは、これ以上決定が遅れる場合、空軍の戦闘機事業が遅れるだけでなく「韓国型戦闘機開発事業(KF-X)にも支障をきたし、空軍に深刻な戦力空白がもたらされるという理由からだった。仮にF-15SEの代わりにまだ開発も完了していないロッキードマーティン社のF-35Aが選ばれる場合、価格、性能、技術移転条件がすべて不確かになる。否決決定がされた後、その年の12月に国防部は合同参謀会議を開き、次期戦闘機要求性能にステルス機能を追加して、事実上、F-35Aを単独候補として選定するよう政策を変更する。この会議で米国政府が韓国政府に戦闘機を販売する政府取り引き方式(FMS)のF-35Aは、米国からKF-Xに必要な核心技術移転が難しいという点は討論さえされなかった。問うことも問題にされることもない決定だ。

 2014年5月10日午前10時にサマーセット・パレスホテルで進めれた大統領府のチュ・チョルギ安保首席主催のKF-X対策会議。空軍と防事庁、業者、民間専門家、専門記者などが招かれた会議の冒頭、チュ・チョルギ首席は「昨年、朴槿恵大統領が次期戦闘機事業に関し歴史的な決断を下した。今年は韓国型戦闘機事業で歴史的決断を下すだろう」と悲壮な語調で語り始めた。

 この会議でKF-Xの技術移転に対する見解は二つに割れた。空軍政策の諮問に応じるA教授は「共同開発のパートナーでF-X事業の随意契約対象のロッキードマーティンは、核心技術移転および開発費分担交渉で難航が予想される」と指摘し「米政府の輸出承認(E/L)不許可品目の電子式レーダー(AESA)と赤外線探知および追跡装置(IRST)、光学標的追跡装置(EOTGP)技術移転に問題が発生する」と現在の状況を正確に予測した。

 これに対し、空軍諮問に応じる別のB教授は「米国は技術移転に好意的」と語り、無難に核心技術を受け継げると楽観した。意見が割れたまま会議は何の成果も出せずに終わった。その年の初めにKF-X事業体系の開発予算が国防予算に反映される時点で、空軍、防事庁、業者関係者は事業支障を恐れ誰も技術移転問題を語ろうとしなかった。何らかの“見えない手”がF-35A導入の障害物を一つずつ除去し、F-35Aの問題点に対し共謀の沈黙が形成されていった。

 大統領府での会議直後、空軍、防事庁、そして過去の大統領府対策会議に参加したB教授などで構成されたF-X折衝交易3次交渉団が訪米し、米国防総省安保協力局(DSCA)と米空軍関係者に会った。ここで韓国側が強力に米政府の輸出承認品目の技術移転を要求すると、米国側関係者は「韓国でいったいどんな戦闘機を作ろうというのか?」と形状すら決まっていない韓国型戦闘機に技術移転を議論すること自体を拒否した。さらに米側は、「核心技術移転は交渉の対象にならないし、もし韓国が技術が必要なら、米国から別に購入すべきだし、購入しても韓国型戦闘機のシステムは技術を提供する米国業者が作るべきだ」と韓国側の戦闘機開発の全面否定さえ憚らなかった。

 米国政府に門前払い扱いされる間、事業協力者のロッキードマーティンは韓国側のKF-X事業共同参加の提案に様々な理由を挙げて参加を避けた。米国政府の技術輸出承認が拒否され、ロッキードのKF-X事業参加決定もされない状態で、防事庁は米国とF-35Aの40機購入意向書(LoA)を締結し、米国に追加要求し得る交渉の余地まで放棄してしまう。防事庁は「購入意向書に米国は360人の技術人材とF-16最新技術資料を支援し、21種の核心技術移転を支援する」と保障したので「技術移転には問題がない」という言葉だけを報道機関と国会でオウムのように繰り返した。ここに開発費の20%を負担する条件でインドネシアが共同開発者として参加する事業協力協定(PA:Project Agreement)を締結するさらなる無理を重ねる。核心技術移転が不明瞭で米国業者の参加が不確かな状況ではPAなど何の意味も持たない。

 結局、防事庁と空軍は、米国から技術移転が事実上難しいということを知りながら、昨年9月にF-35Aの40機購入契約を米国と締結する。だがこの契約でさえ、戦闘機価格、導入時期、技術移転義務条項に対する拘束力ある規範ではなく、一種の仮契約に過ぎない。実際の本契約は、F-35Aの開発が遅れているため現在では締結さえ不可能な状況にある。契約自体が不可能な実体がないF-35A導入に加え、KF-X事業の危険も手が付けられないほど増幅されている今の状況は、空軍創設以来最大の危機と言っても過言ではない。空軍出身のイ・ヒウ予備役准将は「今の空軍には津波のような危機が押し寄せている」と診断する。

 こうしている間、国防部にはKF-X事業を専門に担当する事業団さえ存在せず、防事庁にすべての事業管理責任を押し付けてきた。防事庁は購入意向書と契約を締結しただけで技術移転問題は「業者が処理する事案」としてKF-X主事業者である韓国航空宇宙産業に責任を押し付けた。開発に8兆ウォン(約8000億円)、量産に10兆ウォン(約1兆円)必要とされる戦闘機開発事業は、誰が主体なのかも分からない有様だ。大統領府は、そのすべての過程をまったく知らなかったと言わんばかり、技術移転が不可能だという事実が今年の国政監査で提起されると、その時になって真相把握に乗り出すという局面にある。

■ 「戦闘機のない空軍」になる災難

 問うことも問題視することもせず、米国の未完成の戦闘機導入を決めて事業管理に不良が累積する中、2025年までの次期戦闘機導入と韓国型戦闘機生産はいずれも不確かな一つのギャンブルに転落してしまった。さらに理解に苦しむのは、防事庁が既存の事業計画を守る中で、必要な核心技術をヨーロッパなど第3国から導入するという奇想天外な代案を提示しだしていることだ。

 根本から再検討すべき戦闘機導入事業を放置しておいて、枝切りだけするような発想だ。米国の支援で作られた韓国型高等訓練機(T-50)を基本プラットホームにして発展させる戦闘機に、ヨーロッパの技術を適用するというのは前例のないもう一つの不確かなギャンブルになる。どれほど予算がかかるかも全く分からない。1999年に金大中(キム・デジュン)大統領が明らかにした戦闘機開発事業が16年後に座礁してしまう危機に直面しているのだ。

 F-XとKF-Xの開発がぐらつき、適正な時期に戦闘機が供給されなければ、2020年代中盤に空軍の戦闘機保有数は現在430機から半分の水準に落ちる。“戦闘機のない空軍”は韓国安保の根幹を揺さぶる大型災難となるに違いない。今からでも既存の戦闘機事業を全面的に再検討し、新しい代案事業を出しても不十分な時であるというのに、既存の事業に対する既得権にこだわり共倒れとなる死の行進を続けている。この災難は一昨年8月末から9月中旬間に進行された釈然としない事業否決から始まった。このような悲劇的状況が果たしてどんな結果を招くのか気がかりでならない。
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22104.html
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22105.html
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22106.html

ハンギョレは、ディフェンス21と言う軍事専門誌を持っている為、たま~に鋭い軍事関係の記事を見かけると、大抵はディフェンス21関係者なのよね?
この記事も、キム・ジョンデ軍事専門誌「ディフェンス21プラス」編集長の寄稿。

韓国の軍事予算なんてのは、国民に批判されずに出来るだけ多くの金を軍部が山分けする為のもの。
勿論、政治家もグルで。(笑)
真剣に考える事自体、馬鹿馬鹿しい。
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プロフィール

nanakotedy

Author:nanakotedy
イタリア ローマで生まれ、10歳までイタリア育ち
大学卒業後、帰国
母方の祖父母と同居中

度重なる歴史認識の違いと言う言葉に、改めて近代史を学び直しています

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